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【然別湖】イワン・オンネチェプ・カムイの真相

今回は、ゴールデンカムイ5巻を読んでいて出てきた

『イワン・オンネチェプ・カムイ』(イトウの主)

の正体とは何なのか、本当に居たのか、真相を調べてみました。

 

時間が無い方はまとめをご覧ください。

 

 イワン・オンネチェプ・カムイとは

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むかし漁師の追っていたヒグマが然別湖を泳いで逃げた。

しばらくするとヒグマが水面から消えたので見に行くと巨大なイトウがいてその口からヒグマの前足がのぞいていた

そのイトウの大きさたるや25間(約45メートル)はあったという

イワン・オンネチェプ・カムイはイトウの主だ

ゴールデンカムイ第5巻『第47話 イトウの花』より―

うーん。いくらイトウが7尺(約2メートル)を超える個体がいると言われていても、流石に45メートルは…いくらなんでも…。

イトウのこと

まずはイトウの事について調べました。

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生態

サケ目サケ科イトウ属に分類される淡水魚(日本最大)であり、海で育つことはありません。

体長は1mから1.5m。記録上最大のものでは、1937年(昭和12年)に十勝川でおよそ2.1mの個体が捕獲されたことがあります。また体長1メーターに育つまで10年程度の時間が必要です。(なので45メートルになるには、405年程度の時間が必要)

日本では北海道の一部の河川・湖沼に、その他は樺太や、南千島に生息しています。

絶滅危惧IB類 (EN)に分類されており『近い将来における野生での絶滅の危険性が高い』そうです。

非常に悪食で、大きな個体はカエルやヘビ、ネズミ、水鳥のヒナ等を食べます。

釣り人には『キャッチ&リリース』が推奨されていて、何らかの要因によりお亡くなりになってしまった場合のみ、食されています。

イトウの味

天然と養殖では大きく味が違うとのことでした。

食用として流通している物は養殖されたイトウのようです。

 

サケ科なのもあり、身の色はオレンジ色ですが、サケの味ではない。

川魚特有の臭みは無く食べやすい、「川のトロ」とも言われ、淡白でコリコリとした食感があるそうです。

まさに「イトウ」という味。それしか言いようが無いらしいです。

私は食べたことがありません。

 

「イワンオンネチェプカムイ」に迫る。

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真相に迫ってまいります。

然別湖に生息する魚

ミヤベイワナ(オショロコマ)・サクラマスニジマス・ワカサギ・ウグイ・フナ・トゲウオ等

…あれ?イトウが居ない。

どこをどう検索しても「イトウ」の三文字が然別湖には出て来ない。

いや、待ってほしい。凄く似た魚が居る。

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左からミヤベイワナサクラマスニジマス

似ている!イトウのような斑点がどの魚にもある!

イワン・オンネチェプ・カムイとはイトウでは無く、この魚のどれかだったのでは無いでしょうか。

私的にはミヤベイワナ(オショロコマ)だと嬉しいです。

ミヤベイワナ然別湖にしか生息しない固有種なのです。

然別湖の主 ミヤベイワナとか、かっこ良すぎではないでしょうか。ただ、最大のものでも50cm以上という記録しか無い…45mには程遠い。

(ちなみにサクラマスは80cm以上、ニジマスは1mほど)

 

おまけ「ヒグマの大きさ」

体長はオスが243cm(1980年、14 - 15歳)、メスが186cm(1985年、8 - 9歳)。

大きいですね。余裕で一般的な人より大きいです。

アイヌの伝説(伝承)

文献より

 

然別湖のぬし(ぬしをクリックして下さい) 十勝の然別湖は、カジカもサルカニも棲息しないで昔からイトウより他にいない沼であり、ここの沼の主は、大きなイトウだと伝えられている。昔狩人が大熊を見つけて追って行くと熊は沼に飛び込んで逃げたので、残念に思ってぼんやり見ていると、熊が沼の中頃まで泳いで行ったと思ったら、急にプクプクと沈んで見えなくなってしまった。そこでいそいで丸木舟を漕いで行ってみると、長さが三十間もあるイワオンネエプカムイというイトウの主が大熊を呑んだが、あまり大きいので口にはばけて、大熊の片方の掌を口から出したまま死んでいた。

 

 

ネット上より

 

湖沼の伝説(クリックして下さい)  昔、この土地に住む狩人が湖畔で大きな熊を見つけた。二手に分かれて挟みうちにしようと追いかけたが、大熊は湖に飛び込み、泳いで逃げてしまう。
 残念でたまらない狩人が、なすすべもなくぼんやりと湖を見ていると、湖の中程まで泳いでいった熊が、急に暴れだしたかと思うと、ブクブクと沈んでいくではないか……。そのまま狩人が目を凝らしていると、熊は浮き上がって少し泳ぎだしたが、すぐにまた引き込まれるように姿を消してしまった。
 不思議に思った狩人は、丸木舟を漕ぎ出して大熊が消えた場所まで行ってみることにした。すると、そこには大きなイトウがいて、その口からは大熊の掌がはみ出していた。
 このイトウはイワンオンネチエプカムイという然別湖の主で、長さが六〇メートルもあったという。

 

 

まとめ

イワンオンネチェプカムイはアイヌの伝説上の話であって本当にあった話では無いのかもしれません。

少なくともイトウは然別湖には居ません。45m級の魚も然別湖の記録上は存在しません。

調べたところ、釣りをする人は魚の大きさや釣った数の多さを自慢し合う人が中には居るそうです。

もしかしたら、自慢し合ううちに誇張したりして魚の大きさがどんどん大きくなっていってしまったのでは無いでしょうか。

 

ですが、本当にイワンオンネチェプカムイというイトウの主が存在していたというのでしたら、とてもロマンチックで素敵な事だと思います。

 

皆様、ここまで読んでいただきありがとうございました!

イトウ…いつか私も食べてみたいものです。

 

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